学生王座戦
王座戦の振り返り書きます。ついでに引退の挨拶的なのも書きます。諸事情により名大将棋部日記に投稿できなくなってしまったので、こちらに投げます。いつも通り誤字雑字マシマシですが許してください。
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そうざいです。2020年ももう終わりですね。年が変わる前に、12月25日から27日まで四日市で行われた、学生王座戦の振り返りをします。コロナ禍の大変な時期で開催も危ぶまれましたが、持ち時間変更等あれども無事開催されたこと本当に喜ばしく思います。運営の皆様本当にありがとうございます。
さて、名古屋大学は王座戦は4年連続の出場になります。過去3年間は9位→8位→6位という順位推移。今回の目標は2つ、5位以上の順位と、これまで一度も勝ったことがない、関東・関西代表からの勝利です。
今年は昨年と比べ、大エース岩城さんの穴はありますが、複数の有段者の一年生加入により、より気力のばらつきがない厚い戦力が揃った印象です。また、これまでの人数合わせだけでオーダー表を埋めていた時とは違い、14人の枠どこを出しても戦えるチームです。諸事情あり完璧なフルオーダーではありませんが、十分に全国で戦えるだけの戦力と言えるでしょう。
※以下全て敬称略とさせていただきます。
一日目
0回戦
前日入りしているこばわた、黒瀧と四日市在住のLick以外は当日朝名駅集合。まさかの”金時計の場所がわからない“というトラブルはあったものの、無事全員会場に辿り着きました。
1R 福岡大学戦
◯石川-口石●
◯松本泰-楠田●
◯河村-橋本●
◯黒瀧-玉木●
●松本雅-木下◯
◯加藤-久原●
◯松田-外園●
6-1勝ち
初戦なのでシンプルに上から7人。蓋をあけてみれば主力同士がぶつかる形になりました。
私の将棋は対角交換振り飛車。中盤の折衝で少し損をして苦しくなりましたが、相手の無理気味の攻めを余して勝ち。
2R 京都大学戦
◯石川-酒向●
◯大塚-古藤●
●松本泰-大久保◯
●石綿-生川◯
◯黒瀧-上田●
◯松本雅-拾井●
●加藤-野末◯
4-3勝ち
相手のエースが4番にくると予想。エース対決は自信がないので避けました。オーダーのあたりはまずまず。
相手のレギュラーにごえもんが大きな一勝をあげました。3-3残しで、苦しい将棋をガリレオが捲って勝利打点。目標ひとつであった格上の関西代表に勝つことができました!
私の将棋は対先中。中盤の捌きあいで誤算があり粘るも負け。相手は京大のレギュラー、はっきりとした実力差を感じた一局でした。
3R 立命館大学戦
●小林-田淵◯
●石川-野島◯
●田口-新屋敷◯
●河村-木村◯
●黒瀧-武沢◯
●岩井-宮越◯
●松田-小林◯
0-7負け
優勝候補その1。まだ出ていない一年生を出しつつ、勝ち星を取りにいきますが0-7。層の厚さの違いを見せつけられました。
一日目終了時で2-1。上位の京大に勝ったことでチームの雰囲気は良い感じでした。夜は4人以下のグループに分かれてご飯を食べて解散。
二日目
4R 東京大学戦
●石川-三塚◯
●大塚-中島◯
●松本泰-伊藤蓮◯
●田口-天野倉◯
●河村-藤岡◯
●石綿-横川◯
●黒瀧-塩尻◯
0-7負け
優勝候補その2。普通にやっては勝てない相手なので、こちらも勝ち星を一つでも稼ぎにいく方針でオーダーを決めました。相手の真ん中が厚すぎるので、石川-黒瀧を端に配置しました。
結果は0-7。途中まで良かった将棋もいくつかありましたが、最後は全部持っていかれました。
5R 早稲田大学
●小林-井戸崎◯
◯石川-江口●
● 松本泰-尾崎◯
◯黒瀧-竹内●
●松本雅-岸本◯
●岩井-征矢◯
●伊藤-銭本◯
2-5負け
優勝候補その3。東大と比べると真ん中は薄い印象(かわりに後ろがかなり厳しい)なので、疲れ等考慮して、4Rと6Rのオーダーを決めてから出場回数でバランスを取ってオーダーを決めました。
ごえもんと黒瀧が相手レギュラーに一発入れて2-5。この二人はこの大会中本当に強かった。チームは負けたものの、勢いをつけて岡大戦に臨むことができたのは非常に良かったです。
6R 岡山大学
◯河村-江島●
◯黒瀧-薬師寺◯
◯井村-中山●
◯松本雅-石城戸●
◯加藤-入江●
◯松田-中村●
6-1勝ち
相手は7人でオーダーは固定なので、戦型を重視してオーダーを決めました。結果6-1。上級生はさすがでした。
私の将棋は再びの対先中。端角から馬を作って上手く指したと思っていたのですが、次の局面で疑問手がでて互角に戻ってしまいます。
46角としたため37銀打と受けられ、53角成同金となり微妙。46角ではなく66歩なら居飛車有利保てていました。
本譜は受け間違えが出て一度は敗勢になりましたが、入玉含みで粘っていたら相手にミスができ逆転勝ちになりました。
二日目終了時点で3-3。最終日両方勝てば、他大次第で4位まで可能性がある状況で、入念にオーダーを考えました。
7Rは抜け番で朝はゆっくりできるため、日付が変わるくらいまで、OBの近藤さんと電話したりオンライン部室で談話したりしました。
7R 抜け番
8R 東北大学
●石川-引間◯
●大塚-牟田口◯
●河村-野田◯
◯黒瀧-島田●
●松本雅-丸山◯
◯加藤-榎本●
●松田-上遠野◯
2-5負け
京大が早稲田に勝ったため、ここで勝てれば5位、負ければ6位がほぼ確定。
相手から榎本-黒瀧を当てにくると読み、4丸山5榎本予想していましたが、上手く外された格好になり、オーダーではやや不利。
結果は2-5負け。途中まで5-2ペースだったそうですが、3つ逆転され結果的には大差でした。
私の相手は榎本氏、今年の東北地区代表。
戦型は私の先手で角換わり腰掛け銀、最も自信のある形になりました。
この形はよく調べた形。35歩から仕掛けます。
少し進んで下図では技がかかります。
22銀成同玉23金同角(31玉は33桂成)同歩成同玉25飛で王手馬取り。
以下丁寧指して勝ち。強敵相手に得意形で勝つことができました。
9R 金沢大学
◯石川-大杉●
◯河村-金井●
◯黒瀧-樋口●
◯井村-飯田●
●松本雅-荒木◯
●加藤-武田◯
◯松田-山田●
5-2勝ち
泣いても笑っても最後の一局。この時点でほぼ6位が確定(0-7負けでもまくられない)していましたが、予定通りのオーダーで。
結果は5-2勝ち。
私の将棋は対ゴキゲン中飛車。下図は角銀交換の駒得ながらも玉形の差があり互角。
ここで33桂を読んでいて、それに対しては22角と打つ予定でした。しかし本譜は13桂されバグりました。本譜は17桂39飛成29歩36歩で敗勢に。
13桂に普通に22飛成などで互角でした。終盤は逆転の目もありましたが逃して一歩及ばず。
最終結果はチーム4勝4敗(25-31)で6位、個人成績は3勝2敗でした。チームとしては、最終日の東北大戦に勝っていれば5位だったので、あと一歩というところでしょうか。5位の目標は来年以降の後輩達に託します。個人成績はもう少し勝ちたかったですが、ジャイアントキリングもできたし自分らしい結果になったのかなと思います。
優勝された東京大学の皆さんおめでとうございます。本当に強かったです。
最後になりますが、王座戦の開催に尽力を尽くしてくださった運営の皆様、参加した9大学の皆様、そして応援してくださった全ての皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
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さて、ひとつ、書き記しておきます。
7人制の団体戦で一番楽しいのは4番目に強い人である、というのが私の持論です。基本的に4番手が勝った方のチームが勝つゲームですし、オーダー都合上強い人と多く当たり、個人代表手が届かないくらいの棋力の人が活躍できるのが団体戦です。弱ければあまり出番はありません。一番強いエースは個人代表とって全国いけばいいのだから、団体に熱を入れる価値はあまりないのかもしれません。そもそも自分が勝っても褒められもせず、負けた時だけ責められる、そんな状況下で将棋を指したいなんて人は滅多にいないでしょう。中途半端な棋力であったからこそ、団体戦に熱意を持ち続けられた、そういう意味では非常に幸せだったと思います。
名大では毎年のように各学年エースは団体戦に出場していません。理由は各々ありますが、そういった点に向き合ってケアできなかったこと、感謝が足りなかったことは、非常に悲しく反省しなければいけない部分です。今、私が何か出来ることがあるわけではありませんが、これを読んだ人が何かを感じ取ってもらえたら嬉しいです。
最後に。僕は将棋が大好きで、将棋をする人たちが大好きです。一般的な大学生が力を入れるような、学問や恋愛やアルバイトやその他の趣味を犠牲にして、大学生活の多くを将棋(部)に捧げたといっても過言ではありません。この日々は本当に楽しかったし、後悔ほとんどないです。名大将棋部には確かに僕の居場所があって、本当に居心地のいいところでした。
今の名大将棋部は本当に強く、また、先輩後輩仲の良い、本当にいい部だと思います。名残惜しくもありますが、安心して引退できます。
可愛がってくれた先輩方、本当にお世話になりました。一緒に過ごした同期のみんな、本当にありがとう。慕ってくれた後輩たち、本当に楽しかったです。
またどこかでお会いしましょう。良いお年を。